裏表プリンス

学校に到着して苑くんを職員室まで送り､寿々原 苑(ｽｽﾞﾊﾗ ｴﾝ)って何か格好良い名前だとか思いながら教室へ向かう。

すると正面から莉紗がもの凄い勢いで私の所に駆け寄ってきた。



｢伊桜ちょっと!!どーゆー事!?｣

｢へ？何が？｣



莉紗の質問の意味が全く理解出来ないんですけども。

図上に『？』を浮かべて莉紗を見詰めれば返ってくるのは溜め息。

そして数メートル後ろにある職員室の扉の前でキャーキャー騒ぐ女子の声。



｢何が……って､アンタさっき苑と登校してきたっしょ!?何で!?｣

｢何でって……昨日隣に越して来て､同じ学校だって知ってココまで案内しただけだけど……｡何で苑くんの事知ってんの？｣

｢知ってるも何も､メンズ誌の読者モデルじゃん!!伊桜知らねぇの!?｣

｢え､そうなん!?｣



莉紗に尋問されながら教室に入ると､何処から出したのか苑くんが載ってる雑誌を莉紗に見せられた。

目の前には爽やかな笑顔をした苑くんの写真が沢山並んでいる。


だからか……電車の中とかで異様に注目を浴びてたのは。