裏表プリンス
「俺と付き合……ゴフッ!!」
「次ソレ言おうとしたら、その口縫ってあげるよ那智」
私は那智の脇腹に一発喰らわせた。
それでも私から離れようとしない那智。
ハッキリ言ってマジ邪魔だよね。
真面目な顔して何を言うのかと思えば……反応しなきゃ良かった。
「お腹一杯ー!!ねぇ伊桜、次移動だし早めに教室戻ろうよ」
「あー、そうだね。じゃウチら先戻るわー」
テーブルに突っ伏してる那智にそう告げ、私と莉紗は教室へと戻った。
何故か外よりも寒い校舎内に入ると、謎の人集り。
しかもそこに居るのは女子だけって言うある意味恐怖。
「うわー、アレじゃ通れないね」
「うん……てか、中心に居るのって同じクラスの小桜池じゃん」
「あ、ホントだ。こうして見ると流石『王子』って感じだよねー」