裏表プリンス
煉の言葉を遮って聞こえて来たのは笑顔でドアに寄り掛かる苑くんの声で、そんな苑くんを睨み付ける様に見詰める煉。
……あれ、苑くん今『煉』て言った?
「久し振りだな煉、眼鏡なんて掛けてイメチェンかな?」
「お前には関係ねぇだろ、つーか何でこの学校に居んだよ」
「転入してきたからに決まってるだろう?またこれからも宜しくね、煉」
「誰が宜しくするか」
ゆっくりと私達の所に歩み寄る苑くんを不機嫌オーラ全開で睨む煉。
れ、れれっ……煉さん怖いっ!!
2人の関係が全く見出だせない私は煉と苑くんを交互に見る事しか出来ない。
「あの……2人は一体……?」
「俺達?俺達は中学が一緒でね、犬猿の仲……とでも言っておこうかな」
「そ、そうなんだ……」
笑顔でそう説明する苑くんを未だ睨み付けた儘の煉。
すると私の身体は勢い良く煉の方に引き寄せられた。
それを見て一瞬驚いた表情を見せた苑くんが『成る程ね……』と呟く。