裏表プリンス
苑くんとは2人きりになるな……って言われても無理じゃない?朝家を出る時間が被ったりするかもだし。
……って、煉は苑くんが隣に住んでるって知らないんだっけ。
「校内では気を付けるけど……登下校中は無理かもしんない」
「は……?どう言う事だよ」
「実は……苑くん家が隣なんだよね……」
苦笑混じりに言うと、煉は眉間に皺を寄せて黙ってしまった。
何か煉の周りめっちゃ負のオーラが漂ってるんですけど!!怖いんですけど!!
言わない方が良かったかな……。
「じゃあこれから毎日送り迎えして遣る」
「え!?別にそこまでしなくて良いし!!」
「俺が良くねぇんだよ!!」
声を荒げた煉はしまったと言う表情を浮かべて顔を逸らす。
その瞬間にほんの少し紅く染まっている煉の頬が一瞬だけ見えた。
あれ?煉、もしかして……?
「もしかして、苑くんが羨ましいんだ?」
「…………は?」