裏表プリンス
小桜池 煉
顔良し頭良し性格良しで女子人気No.1。
通称『王子』。小桜池くん或る所に人集りありって言われてる。
人気があるのは結構な事なんだけど、今みたいに廊下を塞ぐ事も度々で色々と迷惑だったりもする。
まぁ確かにイケメンだけど私は興味ないかなー、なんて。
私と莉紗は面倒ながらも少し遠回りして教室に戻り、次の授業の教室へと向かう。
「昼休みの後に調理実習とか或る意味ツイてないよなぁー」
「でも作るのはお菓子だし、家に持ち帰る事出来るから良いじゃん」
「そりゃそうだけど……上手く出来るかが一番の心配ー!!……伊桜は良いよなぁ、料理得意で」
そう言いながら歩く莉紗に苦笑い。
調理室に着くなり直ぐに道具の準備を始め、予鈴が鳴るのを待つ。
その間、また那智が現れたけど適当に流して教室に戻らせた。何だか一部、私と那智が付き合ってると勘違いしてたみたいで地味に冷やかされた。
漸く鳴った予鈴と同時に実習が始まり、廊下に甘い匂いが立ち込める。
そして長い1日が終わる。