裏表プリンス
顔を上げた先に居たのは煉の取り巻き。
リーダー格の人を始め、全員が私を睨み付ける様に見詰めてくる。
大体は何の事で来たか予想つくけど、睨まれちゃ気分悪いよね。
莉紗も気分悪いのか思い切り眉間に皺寄っちゃってる。
「何……?」
「楠原さん、ちょっと良い?話したい事があるんだけど」
「良いよ。但し、手短に終わらせて?」
立ち上がると莉紗が心配そうな瞳で私を静かに見詰めてくる。
そんな莉紗に向けて私は口パクで『大丈夫だから』と言って取り巻き達に続いて食堂を後にした。
とうとう集団リンチに遭うのかな私。
正直こう言うの慣れてるから何とも思わないけど、ダルいって言うか面倒臭い。
「……で、用件は何さ?」
連れられた先は校舎裏。所謂、絶好のリンチスポットだよね。
私は壁に背中を向け、私を囲む様に取り巻き達が立っている状態。
私の目の前に立つリーダーが一歩一歩ゆっくりと近付き、私達は火花が散らんばかりに睨み合う。
少しして開かれたリーダーの口から発せられた言葉は予想通りのモノだった。