裏表プリンス
「王子と別れて」
「……で?それだけ?」
毛先を指にくるくると巻きながら返事すると、相手は黙ってしまった。
本当にそれだけの為に呼び出すとか、マジ有り得ないんですけど。私の残りの昼休み返せしマジ。
私が取り巻き達の間を割って教室に向かって歩くと1人に強く腕を引っ張られ、再び囲まれる形になった。
「話、終わってないのに何処行くのよ」
「まだ何かあンの?」
流石にウザイよね。っつーか、煉が誰と付き合おうが取り巻き達には関係ないじゃん。
私は全員を威嚇する様に睨み付けた。
「王子の事好きでもないくせに。どうせ遊び感覚で付き合ってるんでしょ?」
「はぁ?!何、私が煉の気持ちを弄んでるとでも言いたい訳!?」
「他に何があるって言うの?」
リーダーがそう言うと他の取り巻き達がクスクスと笑い始めた。
……マジで腹立つ。
そりゃあ見た目こんなんだしそう勘違いされるのも無理ないけど、見た目だけで遊びとか決め付けられるの本当ヤダ。
「……何してるの?」