裏表プリンス
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5限終了後、教室に戻った私達は直ぐに莉紗と那智に捕まり何してたのかを全て吐かされていた。
「まさか本当にヤるとはねぇ」
「俺マジで王子を尊敬するわ」
「そりゃドーモ」
否、『そりゃドーモ』じゃないから!
那智は変態魔王を尊敬し始めてるし、莉紗に至っては計画してたかの様な言い方しちゃってるけども!あんな事学校でする事じゃないからね!!
てか初めてが学校でとかマジない!
私は静かに何もなかった様に涼しげな表情で座ってる煉を睨み付けた。
「あれ、伊桜まさかのご機嫌ナナメちゃんだったりするー?」
「見ればわかんでしょ!てか、『ご機嫌ナナメちゃん』て何だし」
「王子ーっ、伊桜が怖いですっ!」
今度は泣き真似をしながら煉のシャツを掴む那智を睨み付け、苛立ちを抑えられず私は席を立ち廊下に出た。