裏表プリンス
なんなのさ皆して!
私だけ何も知らなかった感じ?なんか3人の会話についてけないし……。
これはあれだね、ご機嫌ナナメちゃんじゃなくて激おこぷんぷん丸だね!
自分のロッカーの前に屈んで腕に通してたシュシュをムキー!って文字が見えるくらい伸ばしていると、ポンポンと誰かに頭を撫でられた。
確認しなくたってわかるこの手の主は……
「煉……」
「ごめん、俺がただ伊桜と2人きりになりたかっただけなんだ」
表情は王子モードだけど声色は普段通りのトーンな煉に見詰められて、怒ってるはずなのにトキメいてる私。
煉の役者っぷりには勝てる気がしない。
そして今現在、煉の表情を見てから私を見る周りの女子の視線が物凄く痛いんですけど。
「わ、わかったからそんな顔しないで……!」
「良かった……そろそろ6限始まるから教室戻ろう?」
「う、うん……」
私は煉に手を引かれながら教室に戻ると、廊下の女子達の悲鳴が聞こえてきた。
私この先、無事に高校生活過ごせるかな?