裏表プリンス
キスされた頬を押さえていると、真横に感じた真っ黒な不機嫌オーラ。
煉さん、激おこぷんぷん丸……を通り越しちゃってますよねコレ。
「あ、あのー……煉?」
「アイツ……マジうぜー……」
「煉さん……?話が見えないんだけど……」
珍しくヤンキー座りしてうなだれる煉を揺さぶると、物凄い勢いで顔が上がった。
その勢いに驚いた私は、バランスを崩してそのまま座り込んだ。
「伊桜、週末からまたお前ン家に住むわ」
「へっ!?」
「だから親父さんに話つけといて」
「や、待って待って!急にどうしたの!?」
また私ン家に住むって、しかも週末?!いくら何でもそれは急過ぎるでしょ!
まぁ原因はさっきの苑くんの発言なのは確実にわかるけど。
「あんな奴が隣人なのに、落ち着いてられるかっての」
「は、はぁ……」
「だから一緒に住んで、アイツから伊桜を守ってやるよ」
キュン。
ほんとにこの人は……、どうしてこんな不意にキュンってする事を言ってくれるかな。
嬉し過ぎてマジでニヤケそう。