裏表プリンス
苑くんがそう言い終わるのとほぼ同時に、私は煉の腕の中へ引っ張られてダイブ。
「だから伊桜はもう既に俺の女だって、何度言えばわかるんだよ」
「そんなのどうにでもなるでしょ、その為に煉に宣戦布告したんだから」
表現するならバチバチ……否、メラメラって感じに私そっちのけで睨み合う2人。
なんかオモチャを取り合ってる子供みたい。
なんかそれが可愛く思えて、私はついつい笑ってしまった。
「伊桜ちゃん?」
「何笑ってんだよ」
「だって……2人共子供みたいなんだもん、そりゃ笑っちゃうよ」
クスクス笑い続ける私を見て、ほんの一瞬だけ目を合わせた煉と苑くん。
苑くんと同じ事に不服そうな表情の煉とは対照的に、私と一緒に笑う苑くん。
2人共周りと比べると結構大人びて見えるけど、中身はまだ子供な部分があるんだね……なんて言ったら怒るかな?
「まさか伊桜お前、子供っぽいとか思ったりしてねぇだろうな」
「……!?」
ひいぃいぃぃいい!
今私思った事口にしてた!?否、してないよ!煉さんマジそのエスパー能力怖いです!
「お、思ってない……よ?」
「伊桜ちゃん、目が泳いでる」
そんな明らかドンマイって顔で私を見ないで苑くん!