裏表プリンス
「伊桜って明日と明後日、どっちか空いてたりするー?」
「空いてるよー!!何々遊び行っちゃう?」
「久し振りにお姉が帰って来るんだ!!んで伊桜に会いたいらしい」
「マジ!?かなり嬉しいんだけどっ!!」
私は小桜池くんの存在を頭の隅に置いて、莉紗のお姉さんの話に食い付いた。
莉紗のお姉さんは私達の4つ年上の大学生で、都内に一人暮らししてるギャル系ファッション誌のモデルさん。
私は莉紗のお姉さんに何だか気に入られてるらしい。
「じゃあ明日、何かお菓子作って莉紗ン家に持ってくよー」
「マジ!?絶対にお姉も喜ぶよー!!」
「お姉さん何時に帰って来るのー?」
「えーっと確か……」
莉紗が携帯でお姉さんの帰宅時間を調べていると、背後に感じた気配。
その気配が小桜池くんだと気付くのに然程、時間は掛からなかった。