裏表プリンス



◇◆◇◆


昼休み、出来れば委員会から逃げたいと思っていた私。

昼食を食べた後コッソリと教室から出ようとした所を、同じ保健委員の男子に捕まってしまった。


今日はとことんツイてないなぁ……。



「全員揃ったみたいなので、保健委員会を始めたいと思いまーす」

「だるー………」

「楠原さん、ダルいとか言わなーい」



委員長の言葉に無意識に出ていた本音。

聞き逃されてると良いなーなんて願望も叶う筈なく、委員長に緩くお叱りを受けた私に周りはクスクスと笑う。


そんな中進められて行く委員会。

今回召集されたのは午前中の教室内の室温と湿度を3日間計測して欲しいって事だったらしい。

それだけを伝えられると計測器が手渡されその儘解散。



「別に私出なくても良かったじゃんか」

「伊ー桜っ!!」



小声で呟きながら保健室を出ると、朝同様に聞き慣れた声。



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