裏表プリンス
「離して下さい!!」
「遊んで呉れるなら良いよー?」
……………。
コイツら馬鹿ですか?
私が今『急いでる』って言ったの聞こえてなかった訳?どんだけだよマジ。
相当チャラそうな顔してるから、何て言おうと連れてく積もりなんだろうけど。
「本当急いでるんで」
「そんな事言って、実は何も予定なかったりするんでしょー」
「否、本当だから離して下さい!!」
声を荒げて抵抗しても2人は私の腕を離す気配はナシ。それ所か逆に、駅とは逆の方向に引きずられている。
私は精一杯の体重を足に掛けて最後の抵抗を始めた。
これぞまさに『無駄な抵抗』ってヤツなのかな、多分。
それでも2人は私を連れて行こうとする。
「どうでも良いけど、凄ぇ邪魔」