裏表プリンス



誰がお願いなんてするもんですか!!

この遣り取りも10回を越えただろうその時、王子の面影を持たない小桜池くんが小さく溜め息を吐いた。



「詫びる気はナシ……か」

「当たり前でしょ!?何言ってんの!?」

「………はぁ」



小桜池くんは2度目の溜め息を吐くと顎に添えた儘の手を私の後頭部に回し、グッと引き寄せる。

目の前にはドアップで映る小桜池くんの整った顔、唇には温かく柔らかい感触。

キスされているのだと気付くのにそう時間は掛からなかった。



「……っ、何すんのよ!!」

「何って……キスだけど?」

「そんなのわかってるわよ!!何でこんな事するのか聞いてんの!!」

「興味が湧いたから」



そう平然とした面持ちで言う小桜池くんとは対称的に、怒りを露わにする私。

て言うかっ!!興味が湧いたとかマジで意味わかんないんですけどっ!!



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