裏表プリンス
確かに私が考え事とか珍しいけど、やっぱり笑える話じゃないよね。
気付けば担任が既に教壇に上がっていて朝のホームルームが始まった。
昨日みたいに臨時の委員会とか集まりはないみたいで一安心。
ホームルーム終了後は直ぐに移動教室で、膝掛けと授業に必要な物を持って莉紗と一緒に教室を出る。
「で、昨日はどうだったの?」
「えっ!?あぁ、うん……思った通りの結果だったよ」
「そっか、何か意外だなー」
「え?何………」
『何が?』と言おうとした所で私は莉紗にあの日の事を全て話している事を思い出し、開きかけた口を閉じた。
そして昨日、小桜池くんに言われた事が頭の中を過ぎる。
「俺の本性を話したらどうなるかわかってるよな、伊桜」
そしてたった今、私にだけ聞こえる様に耳元で囁かれたワントーン低い声。