裏表プリンス



私がお弁当の包みを開くのをじっと見ていて、蓋を開けた瞬間何故か少し驚いた表情を見せる小桜池くん。



「これ、自分で作ってんの?」

「そうだけど……って何勝手に人のお昼食べてんのよ!!」



隣に来たかと思えばおかずの玉子焼きを摘み食いする小桜池くん。

そして再び伸ばされた手の先にあるおかずの器の蓋を私は素早く閉めた。



「お昼食べてないの!?」

「食べるも何も持って来てねぇし」

「買えば良いじゃん」

「金も持って来てねぇ」



本に視線を向けながら答える小桜池くん。


何、て事は今まで昼休み何も食べずに過ごしてたって訳!?

てかお金くらい持って来なさいよ!!


私は別に用意していたおにぎりを手提げから取り出して小桜池くんに差し出す。



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