裏表プリンス
いやいやこの二重人格な最低男にドキッとするとか有り得ないって私!!
チラッと小桜池くんを見ると、向こうもこっちを見ていたのか目が合った。
「今日は髪、巻いてないんだ?」
「じ、時間がなかっただけよ!!」
「うん、知ってる」
ウッザ!!果てしなくウッザ!!
知ってるなら聞くなっつーの!!本当何なのよこの男っ!!
小桜池くんを睨み付けると、彼は私の髪をクルクルと指で弄びながら相変わらず私の嫌いな笑みを浮かべている。
「俺はコッチのが好き」
「………は?」
「巻き髪よりストレートのが好きだっつってンだよ」
「別にアンタの好みなんか知りたくもないんですけど」
小桜池くんの手を振り払って私は床に落ちたおにぎりを拾い、机に置いてその儘椅子に座った。
そして未だに手の付けられていないお弁当に箸を向ける。