裏表プリンス
確かに自分の名前を呼ばれ、私は声のする方に振り返る。
其処には綺麗に整った顔をした男子が立っていた。
……でも、どうして私の名前を知ってるんだろう?そう思って良く見てみると、彼も私の通う高校の制服を着ている。
同じ学校で私の名前を知ってるって事はタメなんだよね?
でも同学年にこんなイケメン居たっけ?
「何ジロジロ見てんの?俺の顔に何か付いてる訳?」
「否、そうじゃなくて……」
「じゃあ、何?」
うっわ、顔に似合わず性格めっちゃ最悪じゃん!!でも助けて呉れた訳だし、お礼はしなくちゃだよね?
「えと……さっきは……」
「勘違いするなよ?俺の前方を塞いでたアイツらがウザかったから退かしただけの話だから」
「………は?」
「つーかさー……」