裏表プリンス
「 Please kiss from Io. 」
「……は?」
急に綺麗な発音で私に何かを頼む様に言って来た煉。
発音が綺麗過ぎて何を言っているのか全く聞き取れない。
コイツ……英語だけ毎回赤点なのを知ってて遣ってる絶対。
「 Make it early. 」
「何言ってるかわからないって!!」
「 That's too bad. 」
「え……待、……ん……っ!!」
煉が何を言っているのかわからない儘、私は唇を塞がれてしまった。
遊びのキス……嫌だと思うのに、どうしてだろう……嫌じゃない。
次第に深くなっていくキスに、私は何も考えられなくなる。
少しして離れた唇。
煉は何か企んでる様な顔で私を見詰める。
「俺が勉強教えて遣るよ」
「…………はい?」