裏表プリンス
「あー……クソッ、こんな事するガラじゃねぇのに……!!」
「……プッ」
「何笑ってんだよ」
「何でもなーい」
笑って返して差し出された小指に自分の小指を絡ませた。
言ったらキレるだろうけど……今、煉の事を可愛いと思ってしまった。
だって、イマドキ『指切り』って!!流石に最近の小学生でもあんま遣らないのに、この煉が『指切り』だよ!?
普段は無駄に大人びた表情なのに、こんな表情見せられたら可愛いと思わずには居られない。
「『可愛い』とか思ってんじゃねぇぞ」
「え゙っ!!何でわかったの!?」
「モロ顔に出てるっつーの…………ホラ立て、行くぞ」
半ば呆れた顔で立ち上がり私に差し伸べられた手。
私はその手に掴まり立ち上がると同時に、気になった事が1つ。