裏表プリンス
寂しい……か、そんな風に毎日思ってたのはどれくらい昔の話だろう。
今も偶にだけれど寂しくなる時がある。
理由はわからないけど。
私は少し家を見上げて煉へと視線を戻すと、思い切り目が合った。
「慣れちゃったし寂しくないよ」
「へぇ……本当に?」
「ほっ、本当だから!!」
急に顔覗き込んでくるなんて反則……!!
鼻先約5センチしかない互いの距離。私は驚いて1歩後ろに下がった。
「確かに伊桜は『1人は寂しいから嫌ー!!』なんて言ってるキャラじゃないよな」
「なっ……何よソレ!!」
「冗談だよ。……でも、偶には誰かに甘えてみても良いんじゃねぇの?」
「へっ……!?」
━━ヴヴヴヴッ――……。
携帯のバイブが1回振動して直ぐに止まったのを感じた私は素早く携帯を開く。
画面には未登録の番号。
この番号、まさか……!!