裏表プリンス

◇関係への限界




◇◆◇◆


学年末テストも終え、無事に進級も確定して迎えた終業式。

いつもと変わりなく莉紗と遊んでいつもの時間に帰宅。



「ただいまー」

「あ、伊桜お帰り!!夕飯出来てるぞー」

「お父さん!?帰り早いの珍しくない!?」

「伊桜に話す事があってね」



私は荷物を部屋に置く事なくリビングへと向かい、夕飯の並ぶテーブルを前にゆっくりと腰掛けた。

目の前には爽やかなお父さんの笑顔。



「で、話ってなぁに?」

「うん、実は明日から1週間地方に出張する事になったんだ」

「そっかー、1週間は大変だね。……で?」



大抵お父さんが出張に行く時は同行する人のペットとかの面倒を任される。

正直ペットの面倒とか嫌なんだよね。
掃除したのに直ぐに散らかすわ、夜中に鳴いたり吠えたり……。

きっと今回もペットの面倒だよ。



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