裏表プリンス



◇◆◇◆


「伊桜ーっ、そろそろ行くぞー!!」

「え゙っ!?ちょっ、待ってー!!」



春休み初日、お父さん出発の朝。

昨日とあまり変わらない時間帯に起床してお父さんを見送るのと、今日から1週間を共に過ごす人を迎え家に案内する為に駅まで行く事に。


ガラガラとキャリバを引くお父さんと並んで駅までの道程を進む。



「何か心配だなー」

「大丈夫だって、いつもは動物なのが人間になっただけじゃん」

「そうだけどさー……あ、1週間分の生活費はいつも通りだから」

「あいあいさー。じゃ、帰宅前日にちゃんと連絡入れてね」



あっと言う間に駅へと着き、お父さんが登りエスカレーターを上がり切るまでしっかりと見送った。


合流予定の時間まで5分、私は駅前にある柱に寄り掛かって待つ事にした。

同じ学校の人ってお父さんは言ってたけどタメ?それとも年上?どっちだろ。



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