裏表プリンス



春休みとは言っても矢張り朝の駅は通勤ラッシュで沢山の人が行き交う。

その人波の中に1人、私は見慣れた顔の人物を発見した。



「いやいや、まさか……ねぇ?」



一度逸らした視線を戻すと、徐々に近付いてくるアイツの姿。

え?流石に冗談だよね、1週間ウチに泊まるのがアイツな訳……絶対に冗談だよね?てかメイク手抜きだから違ってて!!取り敢えず隠れ……



「伊ー桜ーちゃん?一体、誰と隠れん坊してるのかなー?」



ぎゃーっっ!!!!!!

来た!!悪魔が今まさに私の直ぐ真後ろにっ……!!取り敢えずシカトしたら絶対に私の身が危ない……!!

しかも眼鏡してないから悪魔モード全開だよめっちゃ怖いよお父さんー!!



「あ、あはっ……煉こそ何でココに?」

「あ?俺は親父が1週間出張に行ってる間世話になる家の人と待ち合わせで……」



見間違いじゃない上に嫌な予感的中しちゃいますの事ーっ!?

ココは一先ず……



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