裏表プリンス



距離を取って初めて視界に入った煉の身体はまさかの上半身ハダカ。

見慣れない光景に私は煉を直視出来ない。



「何でって……風呂上がりだからじゃね?」

「だからってその格好で人ン家の中彷徨かないでよ!!」

「暑いんだから仕方ねぇだろ?……何、伊桜もしかして俺のハダカ見て厭らしい事考えちゃった?」



そう言いながらソファに座る私の横に腰掛けお得意の笑みを浮かべる。

良いから先ずは服を着て下さい目の遣り場に困るんですけど!!



「んな訳ないでしょ!?てか髪くらいちゃんと拭きなさいよ!!」

「じゃあ伊桜拭いてよ。何時もこうだからどのくらい拭いたら良いかわかんねぇ」



差し出されたタオルを何故か受け取り、優しく拭いていく。

私達の距離はサッカーボール1個分くらいでかなり近い。



「……隙あり」



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