裏表プリンス
「俺の事、好きなんだろ?」
「…………!!」
自惚れるのも大概にしろって言って遣りたいけど、当たってるが故に何も言い返せずに煉から視線を逸らした。
自分でも赤くなってるのがわかるくらいにとても顔が熱い。
これは絶対に言うまで離して呉れないパターンだよね……どうしよう。
「言えたらご褒美遣るよ。ホラ、言ってみ」
「う……」
今の私茹で蛸より赤い自信がある。
言ってみろと言われて、しかもこんなに本人を近くにして好きと言える訳がない。
だから私は口を開かずにコクリと小さくわかる程度に頷いた。
「本当は口で言って欲しかったけどまぁ良いか。……良く言えました」
そう言って優しく微笑み、煉はその儘私にキスを落とした。
今まで以上に甘い、甘いキスを。