Best Friend
ファーストフレンド
「ケン~カして、笑いあってここまできた~」
だいすきな歌を口ずさみながら学校までの道のりを歩く。
「ハア・・・まじ、病むわ~」
そう、あたしは病んでいる。
なんでかって?
・・・友達がいないから?
多分、そうと思う。

キーコーンカーンコーン・・・

「やべぇ~」
学校のチャイムと共にあたしの足は走り出していた。
「ハア・・ハア間に合った~」
静かな教室に着くと、痛い視線があたしを迎えた。
チッー
「こっちみんなよ・・・」
小声でそうつぶやくと、席についた。
まだ、みてやがる。
みんなよ、バカヤロウが!

ガラガラッー

「はい、みんなおはよ~」
「・・・・」
皆、無視ですね。ププッー
「号令!」
「起立っ!礼~」

ハア~だりぃ。
学校なんて行く意味がないと思うのはあたしだけですか?
ちがうよな、きっとな、うん、ちげーよ。
なのに、なんで楽しそうにきてやがんだ?コノヤロウ!
あっ!そうか、友達って言う邪魔な存在に会うためにか。
醜い、醜すぎるぜ、豚共達よ。

「お前なにやってんの?」
隣の男子が話かけてきた。
「は?」

気づかないうちに、あたしは机に爪をたててひっかいていた。
おお、危ない危ない。

「考え事してたんだよ」

素っ気なく返事をすると、男子は嫌そうな顔してこっちを睨んでいた。
笑えるよ、ほんとに。
お前のその醜い顔で友達なんかできるのかよ、オイ!
「フフっ」
思わず笑っちまった。
隣の男子は気持ち悪そうにこっちを睨んでいる。
だから、みんなって。


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