俺をオトしてみろよ。～愛しのドクターさま～

「先生って呼ばれてる人を見た瞬間、“こんなカッコいい人に勝てない”って咄嗟に思ってしまって、気付いたら柚に好きって言ってた」



「でも、池谷くんの気持ちは嬉しかったし――」



「そう思ってくれるだけで、今の俺には十分だよ。それよりも、俺は柚の笑顔が見たいから。

――先生と、何かあったんだろ？」




今までに見たことがないくらいに、優しい視線が、あたしに向けられる。


あたしのことを好きになってくれている人に打ち明けるのはどうかと思ったけど、観念して口に出してしまった。


池谷くんの告白の後から、関係が上手く言っていないことを。




「ごめんな、俺の気持ちが暴走してしまったせいで」



「ええ……？池谷くんのせいじゃないから！あたしが弱いせいで……」




思わずシュン……と落ち込んでしまう。


そんなあたしを見た池谷くんは、何かを思い付いたように、あたしの腕を引っ張った。




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