俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~



先生にあの表情を浮かべていた理由を聞こうとした瞬間、綺麗で透き通った女性の声が聞こえた。


咄嗟に振り向くと同時に、衝撃が走った。



なんで……。




「朔夜、久しぶり!しばらく見ないうちにすっかりお医者さんになったね!」



「あ、ああ……。なんでここにいる?」



「ドライブがてら寄ってたの。ほら、高校の時によく来たでしょ?雄一郎と朔夜とあたしの3人で」



「そうだな」




そう答える先生は、あたしのことをチラチラと気にしながらも答えている。もしかして、邪魔だからどっかいけって言いたいのかな。


モヤモヤした気持ちのまま、離れようとしたけど。




「あ、ごめん。もしかしてデート中だった?あたしったら邪魔しちゃってごめん!」




さっきまで先生の視線を独占していた女性が、慌ててあたしの方を振り向いた。




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