俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
【朔夜side】



ずっとずっと後悔していることがある。


不器用な俺は、後悔したその気持ちを晴らすための行動が出来ないでいた。


――念願の医者になった、今でさえ。



***



思い返せば、俺の高校時代はあまり派手な思い出がなく、しいて言えば仲良しな奴らとつるんでいたか、勉強しかしていなかった。




「朔夜ー!今度のテストで分からないとこがあるの!教えて!」



「俺も教えて、朔夜!!」




教室の自席で勉強していた俺は、いつもつるんでいたメンバーである水樹雄一郎と黒木由梨に絡まれていた。


両親が医者ということもあり、俺の小さい頃からの夢は医者。


大学受験に失敗しないように勉強しかしてこなかった、勉強しか取り柄のなかった俺を自由な世界に連れ込んでくれたのは、この2人だった。




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