俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
「なぁ朔夜!俺、授業聞いてたらすぐ眠くなるんだよ!なんでだよー!!」
「それは水樹がずっと夜遅くまで漫画読んでるからだろ」
「げっ……!!」
お調子者でクラスのムードメーカー・水樹と、
「もう!雄一郎は自業自得だよ!!今はテスト週間なんだから勉強しないと!」
しっかり者の由梨。
俺は、こんな人たちに囲まれて、まあまあ楽しくて充実していた高校生活を送っていた。
「てか朔夜、難しい本読んでるなあ。自分の夢があるっていいなあ!」
「何言ってんだよ水樹。お前だって自分の店持つのが夢なんだろ?」
俺は机の上に出してあった医学書を、そっとカバンの中にしまう。
実家にはこういった医学に関する本がたくさん置いてあったため、時間がある時にはよく目を通して知識を蓄えていた。
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