俺をオトしてみろよ。～愛しのドクターさま～

そして、水樹の夢は、シェフになって自分の店を持つこと。


コイツ、外見からは想像もできないほど、料理が上手なんだよな。


自分の作った料理を食べた人が笑顔になるのを見るのが、水樹にとってのやりがいらしい。




「テスト終わったら、パーッと３人で遊びに行こうぜ！！」



「由梨はともかく、水樹は赤点取るなよ？遊びに行かないからな」




俺と水樹がやり取りするのを、由梨はにこやかに見ている。


由梨や水樹、もちろん俺だって、この“３人”の関係を続けていたかった。３人の思いは同じだと勝手に思っていたんだ。



だからあの頃の俺は……淡い恋心に蓋をしていたんだ。


由梨が、好きだって。


そんなことを口にしたら、この３人の関係は崩れてしまうって。



だからまさかこれからの高校生活が、想像できないくらいに苦しいものになるって、思いもしなかった。




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