俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
「は?どういうことだ水樹」
「だから……さっきも言ったじゃん。……告白されたんだよ、由梨に」
真剣な顔付きの水樹の言葉を、信じることなんて出来なかった。
体調を崩した俺は、数日学校を休んだ。高熱が続き、とても学校に行ける状態ではなかったからだ。
やっと熱も下がり、学校に登校すると、すぐさま水樹によって人がまったくいない屋上へと連れてこられ、放たれた言葉がこれってわけだ。
心が、真っ白になる。
「朔夜が熱出したあの日。俺と由梨で遊びに行ったんだ。そしたら……由梨がずっと、俺のこと好きだったって」
きっとあの日のことを思い出しながら話しているんだろう。その言葉は、少し弱々しく聞こえた。
きっと水樹は、気付いてる。
俺の叶わない、恋の相手に。
だから、あえて隠し通さずに、こうやって俺に真実を打ち明けてくれている。水樹って、そういうヤツだから。
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