俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
天気予報では、今日は雪が降るって言ってた。
12月では、史上最強の寒波がやってくるんだって。
そんな中、あたしはシャーペンを握っていた手を緩め、そっとそれを机の上に置いた。
シーンと静けさが漂う空気を邪魔するように、キーンコーン、カーンコーンとチャイムの音が静寂を切り裂く。
「よーし!解答用紙を後ろから集めて、俺のところに持ってこーい」
テスト監督であった桐生っちの言葉を皮切りに、辺りがザワザワと騒がしくなった。
あたしはゆっくりと深呼吸して、体重をイスの背もたれに掛ける。
「よし、それじゃ今日はもうHRしないから、そのまま帰っていいぞー!みんな、お疲れ様!」
――ついに終わった。
あたしが全力を尽くした、期末テストが。
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