俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
「柚!どうだった?出来た?」
「ええ絵梨にゃん……!!」
テストが終わった途端、絵梨にゃんが心配そうにあたしに近寄ってきた。全てが終わったことによる安心感から、あたしは放心状態。
「え、まさか……最後の教科の数学、出来なかった?」
まったく反応を見せないあたしを心配した絵梨にゃんは、激しく肩を揺さぶってくる。
……絵梨にゃん、地味に怪力だね。
そんなことを本人に向かって言ったら、きっとあたしの命はなくなるから言わないけど。
「ちがう、その逆、だよ」
「……逆?」
ん?と眉をしかめた絵梨にゃんに、あたしはニコッと笑ってみた。
「初めて全部解けたの!分からないところなんてなかった!!」
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