俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
「それでね……絵梨にゃん。あたし、絵梨にゃんに言わないといけないことがあって」
「んん?どうしたの?」
あたしの不安そうな表情に気付いた絵梨にゃんは、そっと顔を近付ける。
2人だけの空間になったことを確認して、小さめのボリュームの声で、呟いた。
「あたしね……やっぱり、先生のこと好きみたい」
「アタックお休み出来なかったの?」
「やっぱり、池谷くんに揺らいでしまったりもしたけど……どうしても先生が好きで好きで、どうしようもなくて」
困り顔で呟くと、絵梨にゃんはあたしの頭をポンポンと叩いた。
諦めてしまったほうが楽だと何度も思ったけど、やっぱり無理だったのは、心の底から先生のことを好きだと思っていたから。
由梨さんがいるって分かっていても、ズルいあたしは、諦めきれなかった。
お守りをもらったときに、やっぱりこの人じゃないとダメなんだって思い知らされた。
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