俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~




「本当なのか……?」



「本当ですよ、先生」




その言葉に安心したのか、先生はあたしの手をギュッと握りしめた。


……そういえば、先生、あたしの手ずっと握りっぱなしだ!!


繋がれている手の方に意識がいって、先生と水樹さんの会話に集中することが出来ない。




「じゃ、柚ちゃんも無事に送り届けたし、俺は帰るとするか。柚ちゃん!また俺とデートしてね!」



「誰がお前みたいな変人にコイツを渡すかよ。さっさと帰れ」



「うわっ朔夜ヒドイ!!分かりました邪魔者はさっさと去りますよーだ」




先生にあっかんべーをした水樹さんは、白いスポーツカーと共にコンビニの駐車場から去って行った。


残ったのは、先生に手を繋がれているあたしと、さっきから発している先生の意味深な言葉の数々だけだった。




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