俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~



幸せすぎる。夢みたいだけど、これは夢じゃなくて、現実なんだ。




「寒いだろ。帰るか」



「……はい!!」



「よく考えたら、ここコンビニの前だったな。見せ物にしてしまったな」



「そ、そういえば……!!」




あたしは急に現実に戻って、周りにあたしたちを見ている人がいないか確認してしまった。


運がいいことに、人の気配はしなかった。こんなシーン見られてたら、恥ずかしすぎて一生外に出られなくなるところだった。




「キョロキョロしてたら転ぶぞ。ただでさえ危なっかしいんだから」



「すいません……」



「さ、帰るぞ。俺たちの家に」




手は繋いだままで、先生と微笑みあう。優しい表情を浮かべる先生は、色々と吹っ切れているようにも感じた。




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