俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
「で、その“センセイ”ってヒトに一目ぼれしたってわけね」
「そうなの絵梨にゃん!先生はあたしの王子様なの!」
お昼休み。
あたしは絵梨にゃんに、昨日起きた全てのことを報告していた。
まあ、さっきの桐生っちの授業で大まかなことをクラス中に暴露したから、そんなに新しく報告することもないんだけど。
「でもさ、柚。ちゃんと計画立ててるの?」
「ん?計画?」
絵梨にゃんは、はぁ…と溜め息をつくと、理解力のないあたしに、分かりやすく説明してくれた。
「いくら柚がその先生ってヒトを振り向かせようと思っても、相手は二十七歳の大人だよ、オトナ」
「うん。先生は二十七歳だよ?」
ん?と首を傾げたあたしを見て、絵梨にゃんはさっきよりも大きい、最大級の溜め息をついた。
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