俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~



そんな、クラス中の噂になりそうな爆弾を一つ投下した所で、タイミングよく授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。


今日は、あたしの勝利みたいだ。




「はーいっ!今日の国語の授業は終わり終わり!みんな休憩だよー!」



「…覚えとけよ、桜井」




パンパンと手を鳴らして、授業の終わりをアピールするあたしに、恨めしそうな視線を向けながら、桐生っちは教室から去っていった。


寝ていた所を無理矢理起こされたせいか、まだ多少の眠気が残っている。




「もう少し寝―――」



「柚、寝かせないわよ?」



「…って、絵梨にゃん?」




あたしの視界には、見慣れた黒髪美人が仁王立ちで立っていた。


―――黒木絵梨(くろきえり)。

あたしの大大だーい親友で、サラサラの黒髪がチャームポイントの、ツンデレ美少女。




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