俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
昨日の勢いがまるで嘘みたいに、大人しくなってしまったあたしに、先生はすべてを見透かしているような眼差しを向ける。
「どうせ、俺がお前の裸を見て、動揺してないことに、ショックを受けてるだけだろ?」
「え?なんで分かるんですか!?」
と言い終わったところで、あたしは咄嗟に口を塞ぐ。
また、あたしの悪いクセが出てしまった。
思ったことをすぐに口に出すの、本当にやめたい…。
「あのさ、お前、倒れてたんだぞ?」
「そ、そうですけど…」
「医者がさ、患者の裸を見て、毎回動揺しているわけにはいかないだろ。
これからそういう場面に何度も遭遇するだろうし、俺たち医者がオドオドしている間に、患者の命の危機に繋がることだってありうるんだから」
先生は、語り掛けるように、呟いた。
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