俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
しぶしぶ職員室に向かうと、桐生っちがあたしの姿を目に捉え、手招きをしてくる。
呼び出された理由が分からないまま、桐生っちの元へ向かうと。
「桜井。お前、留年しそうなこと知ってるか?」
そう言って見せられたのは、二年生にあったテストのあたしの全結果の一覧。
ある意味素晴らしい結果のオンパレードに、あたしの喉からは乾いた笑い声が響いてくる。
そういえば少し前に、絵梨にゃんがあたしが留年しそうなことを伝えてくれたっけ?
巡り巡る記憶に、色々な表情を浮かべていると、桐生っちが大きな溜め息をつく。
「自覚はあるんだな」
「まぁ…」
そりゃ、自分が勉強できないことも、頭が弱いことも分かってます。
だから、お願い。
そんなに、あたしのこと見ないで。わざとこんな点数取ってるわけじゃないんだからさ。
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