俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
あれから、無言で家に帰ってきたあたしと先生。
家までの帰り道の間で、先生があたしのことを見ることもなく、話しかけてくれることもなく、
ただ、好きな人に告白現場を見られてしまった、という後味悪い事実が残ったままだった。
晩ご飯は、最近お決まりになったお母さんの手料理が用意されていて、お父さん、お母さん、先生、あたしの4人で食卓を囲む。
「柚、最近勉強頑張っててえらいね!」
「あ、ありがとう……」
お母さんとお父さんは、今日という日に限ってあたしの勉強の頑張りを褒めてくれる。
だけど、その会話が進むごとに、あたしの脳裏には池谷くんの告白と、先生に見られてしまった光景がフラッシュバックしてくる。
おまけに、先生からはなんともいえない氷点下なオーラを感じるし。
きまずい!!
この状況、本当にどうすればいいの!?
思いつめすぎて、あたしは思わず立ち上がってしまった。
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