神様は気になさらない(KK2)
春先だというのに、なぜ雪にならないのか不思議なほどの、冷たい雨だった。

街の片隅にある、小さな教会。

チャーリーは、少し遅れて扉を静かに開けた。

中では、聖書を読む静かで少し高い声が、響いている。


(新しい、神父さんか)


雨に濡れた毛先を軽く掻き上げて、席に着きながら、チャーリーは神父を見つめた。

まだ若い、生真面目そうな面差し。
眼鏡をかけた表情は、少しばかり冷徹にさえ見える。
白い神父の服が、よく似合っている。
さぞかし敬虔な神父なのだろう。


(油断は、できないな)
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