神様は気になさらない(KK2)
「ルイさん」


それから。


チャーリーは、たびたび教会に姿を見せた。
警戒心のかけらも感じられない、屈託のない笑顔は、しだいにルイを和ませた。

もともと、ルイは人付き合いが得意なほうではない。
穏やかで人当たりがいいルイは、だが決して羽目を外すことはなく、どこか冷たいといわれることも多かった。

ルイが本当は傷つきやすく、想像力のある人間だと知っていたのは、姉だけだった。


チャーリーに出会うまでは。
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