神様は気になさらない(KK2)
「ルイさんが信じるなら、きっとそれは夢やなかったんでしょうな」


ルイが、子供の頃の思い出をチャーリーに話した時。
チャーリーは熱心にルイの話を聞いてくれていた。


「そう、思われますか?」
「思います。他の誰にでも見えたかはわからんけど、少なくともルイさんにとっては、本当に存在してたんでしょう」
「……それは、幻覚とどこが違うんですか?」


チャーリーの答えに、ちょっとがっかりして、ルイは聞き返した。


「それは、神父さんとも思えん言葉や」
「え?」


少し、ぎくりとする。
だが、チャーリーの表情に責める様子はなかった。


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