神様は気になさらない(KK2)

懲罰

「ふん、けだものが、鼻は効くようだ。わしのことを観察しに来よった」

「神官長様。彼は決して、言われているような残虐非道な人格ではありません。教会のミサにも、毎週通われる、敬虔な信者です」

「ルイスモール。ばかなことを言うな。堂々と教会に来るなど、不遜以外の何物でもあるまい。我々には何もできないと、たかをくくっているのだ。まぁ今回は、ここから逃げようとも思っているみたいだが」

「神官長様、私には」

「ルイスモール」


咎めるように呼ばれ、ルイは、口をつぐんだ。


「おまえの命は、あの吸血鬼を倒すためにある。それは、わかっているはずだな」
< 30 / 57 >

この作品をシェア

pagetop