神様は気になさらない(KK2)

疑い

もういちど、ルイに、会いたい。


そう思って再び教会に行ったときには、教会は閉鎖されていた。


神父様は一週間、神官長様とお出かけになるんですって。


近所の奥方はチャーリーに愛想よく教えた。

ルイのいない街は、とても、さみしかった。
孤独とは、長年親しんでいたはずなのに。

夜毎のパーティー。
親切な人々。

誰もが、チャーリーの正体を知らず、街の名士であるチャーリーと親しくなりたがる。

だがこの中で、チャーリーの正体を知って、それでも親しくなろうとする者はいないだろう。
チャーリーのために、秘密を守ろうとしてくれる者すら、いないはずだ。

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