神様は気になさらない(KK2)
血の気を失い、涙を流しながら。
それでもチャーリーに微笑みかけるルイに、チャーリーは、後悔した。

どうして、ルイを、信じなかったのだろう。
ルイを疑った自分が、ルイに、こんな絶望的な選択をさせた。

聖職者であるルイに、自らの命を捨てさせるような選択を。

ルイの手から、ナイフが落ちる。


「私は最初から、あなたを倒すために、この教会に送られてきました。
私は、逆らえませんでした。私の姉が、教会に魔女として捕えられているのです。
私を救い続けてくれた姉を、私は、見捨てることはできなかった」

「なんて、ひどいことを」


普通の人間の血液に、聖水を大量に混ぜるなど、死んでもおかしくないような行為だ。
そんなことまで、教会は、ルイに強要したのだ。
人質を取り、ルイの優しさと負い目に付け込んで。



< 41 / 57 >

この作品をシェア

pagetop